「Replica2」セルフライナーノーツ公開
2021年9月1日(水)よりリリースとなりましたSUIREN 2nd Digital EP「Replica2」
リリースに伴い、SUIRENのメンバーによるセルフライナーノーツを順次、SNSで公開させて頂いておりました。それらをまとめ、当HPにて掲載させて頂きます。是非、ご覧下さい。
「Replica2」セルフライナーノーツ
01.Called
映画や舞台、またライブなどにオープニングや幕開けのSEがあるように、EPやアルバムにはそれぞれの楽曲はもちろ ん、全体を通して一つの作品として楽しんで頂きたい想いから、その一つの作品の導入となる音楽があると素敵だな。 と感じています。僕達の作品を聴く耳の準備をして頂きたいのです。要するに雰囲気作りという事です。 前作の「Replica1」の「Entrance」に続き、今作でも僕が書き下ろし、Suiには“声”という楽器で参加してもらいました。 「Called」というタイトルは“呼ばれる”という意味を込めており、まさにこの「Replica2」の楽曲達に呼ばれて頂きたい という気持ちで作曲させて頂きました。ピアノ、弦の少しクラシカルな旋律と、今っぽさもあるエレクトロな打ち込み との妙な掛け合いで、聴いて下さる方々をこの作品に導けると嬉しいです!(Ren)
02.ハル
Ren君からハルのデモトラックを最初に聴かせて貰った時に、「初期衝動」という言葉がパッと思い浮かんだのを覚え ています。自分にとっての初期衝動ってどんな感じだったかな...って思春期の頃の事とかを思い出しながら、青、青 春、ハル...と歌詞の土台となるイメージが膨らんでいきました。 歌のメロディーに関しては普段アドリブで歌ってみて作る事が多いんだけど、この曲は最初から鍵盤と向き合って意図 的にメロディーの流れを構築したのを覚えてます。この疾走感のあるBPMの中でSUIRENらしい美しいメロディーライン でありつつ、どのタイミングで自分のトップの音がきて、そのトップの音にどんな歌詞が入ってくると熱いのかってい うのを早い段階から意識していました。(Sui)
03.夜はデタラメ
この曲は遊び心満載です。レコーディングもとにかく楽しかったのを覚えてます。曲中に「break down」ってフレーズが出てくるんだけど、2回 目の「break down」でRen君に「女の子みたいな声でやってみて」って言われて...笑。「いや、だったら女の子に歌っ て貰おうよ」って話になって、いつもお世話になっているレコーディングスタジオの女性スタッフの方に試しに 「break down」入れてもらったらイメージ通り。完璧なテイクで一発OKでした。天才かよって思いましたね。 曲自体良くも悪くも一番今っぽいですよね。勿論意図してそういう風に作ってるんだけど、この曲は「ダサカッコい い」が自分の中でテーマにあって、手の平で踊らされてるんじゃない。踊ってんだよ。っていう、一見恋愛の歌のよう で今の時代に対して歌ってる部分もあるんです。そういう風に聴くとまた違って聴こえてくるかもしれないですね。 (Sui)
04.レプリカ
この楽曲はSUIRENで今の所、唯一の詞が先に完成した曲なんです。 Replica1のレコーディングが終わったくらいの頃だったかな?インス ト曲含め6曲録り終わって、SUIRENの今後の課題 なども見えてきて、Ren君とこれからのSUIRENについてかなり熱く語り合ったのを覚えています。その中で二作品で一 つのReplica1.2の代表曲となる物を、タイトル「レプリカ」で作ろうって事になって、結構熱く話した直後だったので、 その帰りの電車の中でその感情のまま歌詞をバーっと書いてRen君に送ったら「良いじゃん」って返信がきて...って流 れで制作が進んでいきました。いつも基本的にはメロディやコード、リズムなどから作っているから、このスタイルは 初めてだったんです。 そんな成り立ちで曲やメロディーの事を一切気にせず書いただけあって、この曲が今の所一番僕のパーソナルな部分、 根っこの部分がハッキリと映し出されていると思います。 あと、これはRen君のおかげだけどアレンジも超かっこ良い。曲としてはJロックの部類、とりわけギターロックの部類 にあるタイプの楽曲だと思うんだけど、そこに見事にピアノとス トリングスが絡んでいて、しっかりSUIRENのサウンド になっている。だから、詞の側面から見ても、アレンジの側面からみてもSUIRENの真骨頂が発揮されている作品だと 僕は思っています。(Sui)
05.see me
この楽曲は、僕がSUIRENで初めて作詞をした曲です。
ただス トレートに、主人公が大好きだった人に大好きだった気持ちを込めて書いたものです。この曲の主人公が愛し た女性は、主人公にとって、少し他の人と違った環境だったり、過去の様々な経験から、どこか自分で自分を受け入 れられていないように映っていました。それ故、一緒にいても何処かうわの空のような、心からその時間に没頭して いないような、そんな様子が伺えました。日々、どのように接していったら良いのか...そんな事を考えながら彼女の お話や生い立ちなど を知っていくうちに、少しずつ辻褄が合うようになっていくのです。その時に彼女の事が大好き だと気が付いた。そんなお話です。 僕は恋愛において最も大切な事の一つがタイミングだと思っています。自分がどんなに人肌恋しくても、相手を求め ても、相手はそのような気分でない事が多々あるかと思います。逆にお互いのタイミングがバッチリ合ってしまえ ば、今までそんなに意識してこなかった方と急接近?!なんて事もよくあるかと思います。 そう。このお話はタイミングが合わなかったのです。「オレといる時だけでも良い。オレの事だけ見てくれ 、考えて くれ。」そう願った主人公に対し、彼女は最後まで本当の恋愛のモードに入る事が出来ませんでした。一緒にいれば 楽しい。でも彼女の環境や気持ちに大きな揺さぶりを与える事は出来ませんでした。主人公は彼女の全てを背負う準 備を“勝手に”決めていた訳です。そういうすれ違いがテーマになっています。(Ren)
06.Koe
今作は前作の「Replica1」と併せて二作品で「Replica」という一つの作品になるようなイメージでおりました。です のでこの「Replica2」の最後のトラックは「Replica」の“大トリ”という事になります。 これは僕の中で決めていた事なのですが、その“大トリ”の楽曲は、「SUIRENの未来の可能性を示す事の出来る楽曲」 にしたい。と強く思っておりました。 ユニットを結成する前から、Suiの声、僕の音楽、2人の力を掛け合わせて出来る最高とは何か、“次のリリース”とか ではなく、最終的にどこに行き着きたいのか、そういう事は常に頭の中にイメージしながら活動したく思っておりま した。そんな中で今創り上げる事の出来る、それに一番近い形がこの「Koe」でした。もちろんまだまだ荒削りで... その頭の中にある理想像とは程遠いかもしれません。しかしながら皆さんにもそんなSUIRENの大きな可能性に期待 を抱いて頂けるような一曲になるよう願っております。(Ren)